深夜2時10分。着替えている最中に電話が鳴った。
・・??誰?
パジャマのズボンを半分ずり下げたままの状態で電話に出たワガーハイ。
「西さん、今、どちらですか?」
あれ?今井さんの声だ。。。
「自宅ですが、何か?( ゚д゚)」
「・・2時集合のはずでは?」
「あうぅぅぅ・・ ゴミン」
仕事を終えてサッカーワールドカップ予選を見て、そのまま集合してくれた今井さん。。。
自分で時刻を指定したにもかかわらず2時半集合と勘違いしていたワガーハイ。。。。
脳内細胞がネズミ算式に死亡中のそんなワガーハイが待ち合わせ場所にたどりつくと、
駐車場のフェンスに腰をかけ月を見上げる、少年のような今井さんの姿が。
惚れてまうやろぉおおお!
そんなこんなで、今井さんと二人で高橋隊長を迎えに行き、それからさらに新メンバーを迎えるべく車を走らせました。
新メンバーとは、HOGE隊初の女性メンバーにして才色兼備のアンジェリーナ・ムラッチーノ・ジョリー。(ブラピの奥さんに似てたので勝手に名付けました。(爆))
待ち合わせ場所で初めてムラッチーノと対面したワガーハイは、あまりの緊張から、「はじめまして」と言うべきところを「はじめました!」
と宣言してしまったほどでした_(_△_)ノ彡ナニヲハジメタンヤ
さて、今回の参加メンバーは、大人6名。
HOGE隊創設期のメンバーである高橋隊長、稲留部隊長、私の3人と、
今回が遠征3回目の参加となる今井さん、
先日稲留さんが福岡東部シャローでアオリイカを三連発させるのを目の当たりにし、遠征初参加を決意してくれた岩間さん、
そしてホゲ神が遣わしてくれた天使、ムラッサン。(呼び方がカワットロォガ!)
今回の作戦は、平戸方面へ向かいつつ、ちょうど朝マズメを迎えるはずの松浦あたりで釣りをして、その後平戸へ突っ走り、ラン&ガンスタイルで釣りまくるというもの。
デカイカシーズンも終盤を迎え、一か所での粘りの釣りも通用しづらくなっているとの予測と、北東の風が吹き荒れるらしいという予報から弾きだした苦肉の策でした。
みんなで楽しく語らいながら、午前4時半、車は松浦近辺の海沿いの道路へ。
白み始めた空の下、海が銀に輝き、一日の物語をつむぎ始めようとしていました。
その物語とは一体どのような物語となるのでしょうか・・・ キットワライバナシヤ
予定よりも30分遅れで到着した松浦の某港、強風曇天の空の下、さすがに釣り人は少ないようです。
髙橋隊長と私と稲留さんとで、交互に好き勝手にムラッチーノにコーチングゥしながら、釣りを開始しましたが、予報通り、北東から吹き付ける風が強くてかなり釣りづらいです。
風にあおられるラインをコントロールできないので、アタリがあっても気づけるかどうかも微妙~・・なほどの強風です。
開始から30分、「どうせ風を受けるなら真向かいから受けた方がアタリはとりやすいはず」・・と考え、漁港に隣接したポイントへ私一人だけで移動。
すると、そこでの数投目に、
ズドム!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
グイーーン!グイーン!とイカ様特有のヒキです!
誰かに取り込みを手伝ってもらいたいところでしたが、あいにく、HOGE隊のメンバーはだいぶ離れた場所にいるので大声で叫ぶのも気恥かしく、なんとか一人で悪戦苦闘の末ランディング!
本命のアオリイカではありませんでしたが、800gのナイスサイズなコウイカでした。
直後に、私の近くへ移動してきて漁港内を狙い始めた岩間さんにもヒット!が、即バラシ。。
「ちょっと強引に巻き過ぎましたね~」と二人でガッカリ。
「でも、いることは確実なので頑張りましょう!」と励まし、コウイカをぶら下げ皆のところへ(自慢しに)。
そこで、「間違いなくコウイカの大群がいますね~~!」と根拠のないデマを得意げに流すと、
そのうち、ほかのメンバーも少しずつ漁港内のポイントへと移動してきました。
HOGE隊、全員集合!かと思いきや・・・そんな流れに逆らう野武士が一人・・
闘う塾長、今井章介氏その人です。
なにせ、今井さんが一人で残って激しくシャクリ続けているのは、しつこいようですが北東の風をもろに受けてまともに釣りができない場所なのです。
でも、今井さんなりに何か考えがあってやっているのだろうから・・・と、時々今井さんの方に視線を送りながらも皆で漁港内で釣り開始。
すると、すぐに岩間さんにヒット!
先ほどの失敗をしっかりと教訓にした彼は、今度は無理に寄せることなく慎重に引きよせ、無事ランディング!
岩間さん、人生初烏賊 ゲットン!
600gのコウイカでした。
おめでとうございます。
しばらくすると、今度はまた私にヒット!
先ほどと同じく800gのコウイカでした。
ここで、イカ釣り初体験のムラッチーノが私の釣ったコウイカを持ち記念撮影。
・・・なんで彼女が持つとコウイカがかわいく見えるのでしょうか( ゚д゚)
ま、それはいいとして、いつもはホゲってあたりまえの(ホゲ=釣果ゼロ)我らHOGE隊が、本命のアオリイカではないにしても、釣り開始から1時間ほどですでに3杯釣っているのである。
ここまで釣れるとは!
これはコウイカの好意か?
とオヤジギャグを叫びたくなるくらいです。
ギャグの質は別として、どうやら今日は我らに巡ってきた千載一遇のチャンスのようです!
「あ~。今井さんもこっちに来ればいいのにな~」と思い、今井さんのいる岩壁の方へ目を向けると・・・
ん?
なにしとん?
今井さんの横で、知らない釣り人がタモ(魚をすくうための網)を海面へ向けてスルスルと伸ばしているではありませんか!
・・・もしや・・・
そして、数秒後、今度は海面へ伸ばしていたタモをスルスルと手元に引きよせているのが見えました。
そして、その網の中には何やらベージュ色の物体が・・・
・・・まさか・・・
そのベージュ色の物体をのぞきこんだ後、その釣り人に深く深く何度も何度もお辞儀をしている今井さんの姿が見えます・・
何かをタモですくってもらって、お礼を言ってるようです!
「高橋隊長!どうやら今井さんがゲットンしたようですよ!」
と報告し、二人で今井さんのもとへダッシュ。
すると、なんと、まぁ・・
今井さん、人生初!
BIGコウイカ ゲットン!
(ゲットン=釣り上げること)
興奮冷めやらぬ今井さんに話を聞くと、
「いやね、目の前にこいつが泳いできたんよね、
でね、エギをこいつの前に落として目の前で止めてゆらゆらさせよったら、
こいつ、バクッ!と喰いよったんやワ!ワハハハハ」
・・・え?( ゚д゚)ナンデスト?
やりますな、塾長!重さを量ってみると、900g!
おいおーーい!今井さん、遠慮なしですね~。
この時点で今井さんが重量の部でトップにしゃしゃり出・・もとい!踊り出たのでした。
このあと、今井さんも含め、全員が漁港内でキャスト!シャクリ!キャスト!シャクリ!
すると、
「あひゃ~!西さ~ん!あひゃひゃ~!」
と、時々耳にするビミョーな奇声が!
このすっとんきょうな声はたしか我らが隊長では?
見ると、何やら海面から抜きあげようとしている隊長の姿が!
「隊長!無理しないでください!無理するとラインが切れますよ!」
と叫びながら、タモを持ってダッシュする献身的なワガーハイ。
しかし、その忠告を無視して抜きあげる隊長!
あ!やばい!切れる!と思った瞬間、
余裕でゲットン!
見ると、イカかと思ったらコロッケでした。
「な~んだ、イカ釣りしてる時にコロッケ釣らんで下さいよ」と、タモを持って自分の場所へ引き返そうとする私に、
「いえいえ、イカですよ西さん!勘弁して下さいよ」と妙に食い下がる隊長。
あまりの強風で脳みそが飛ばされたのかなと思いつつも、だまされたと思ってもう一度よ~く見てみると、
やっぱりコロッケ・・
あ、メンゴ。小さいけど、コウイカでした。
この時点で、私、岩間さん、今井さん、隊長と、4人がイカゲットン!で、まだ釣りあげていないのは稲留さんとムラッチーノの二人です。
「このポイントでなんとか全員が釣果を上げてから平戸へ向かいたいですね~」などと話していると、
遂にムラッチーノにもヒット!
しかし、ムラッチーノが足元まで寄せてきたコウイカに、隣にいた隊長のグラサンの奥に光る目がこう語りかけました。
「おい、おまえにはまだ海の中にやり残したことがあるのではなイカ!」と。
すると、希望を捨てかかっていたコウイカがムラッチーノの目の前で最後の力を振り絞ってジェット噴射をかまし、
逃亡。
ムラッチーの人生初のイカゲットン!は○橋○長のせいで夢と消えたのでした。
直後、今井さんがまたしてもデカいコウイカを、今度はみんなの目の前でゲットン!
これは、なんと1,100gもありました!∑( ̄□ ̄;)
その後、稲留さんが華麗なキャストでエギを陸上で
カラカラカラカラカラカラカラ!
と走らせるなど小話はいくつかありましたが、下げ潮のうねる時間帯も終わり、ここで松浦をあきらめ、平戸へと移動となりました。
さぁ、平戸では、どんなドラマが待っているのでしょうか。
40分後、平戸大橋を渡ると右手に平戸城が見えてきました。
すると、ゼロ睡眠の疲れからか静かだった今井さんが、
「うわっ!城やん!寄りたいな~。
いいな~、俺、もうイカ釣ったけん、あとは平戸の歴史観光でええっちゃんね~」
などと、助手席で騒ぎ出すではありませんか。
「釣りに来たのに歴史観光ですか?社会の先生にも困ったもんですな~」
と口では言いつつも、そこは私も
「あなたのその優しさが痛いわ」と過去に女性に言われたことがあるほどの男、今井さんの希望を無視するわけがありません。
城が近づいてきたあたりで時速30キロに減速して、一言。
「今井さん、どうですか、このスピードならじっくり観られますよね。
どうぞどうぞ写真も撮っていいですよ~」
「おーい!減速だけかい!」と関西なまりの迫力のある突っ込みを入れる今井さんを今度こそ無視して、
一刻も早く視界から平戸城を消すべくアクセルを踏みこむ私なのでした。
その後もキリシタン関係の記念館など、歴史にまつわるものがあるたびに
「うわっ!行きたいな~」
「もう降ろしてもらってもええですワ」
「2番セカンド今井」
などとしきりにアピールする今井さんでしたが、心で土下座しつつも無視。
・・今井さんメンゴ。
そうやって、様々な障壁を乗り越え平戸の一級ポイントであるHキャンプ場近くの漁港へ到着。
到着するやいなや、堤防の上で、イカらしき物体を取りこんでいる釣り人の姿が!
「ここはいける!今度はアオリイカや!」と、皆、意気込んで釣り開始。
しかし、一人だけ悲しげな表情の人物が。
そう、ワガーハイである。
隊長や今井さんをイジリすぎた天罰であろうか、なんと、先ほどの松浦の漁港にタモ(網)を放置プレイしてきたのです!
片道50分の道のりを、タモを取りに戻りながら、情けなくて泣きたいほどのワガーハイでありました。
結局このポイントでは全員ホゲに終わり、次なるポイントへと向かいます。
途中、ここは奄美か沖縄かと言いたくなるくらいの美しい海を時折眼下に眺めながら走ること40分、平戸の南部にあるI漁港へ到着。
何名かのイカンガ―が帰ろうとしていたので、話を聞くと、「瀬古が宗兄弟と喧嘩していた」と言い残して帰って行きました。
などということはもちろん無く、帰ろうとしていた何名かのエギンガーに話を聞くと、「釣れているのを見た」とのこと。
「よーし、今度こそアオリじゃ!」と気勢を上げながら釣り開始するHOGE隊、果たしてアオリの女神は微笑むのでしょうか!
早速防波堤の上で釣りを開始したHOGE隊でしたが、ここもかなりの強風です。油断すると帽子を吹き飛ばされそうなほどの風が時折り吹きつけ、ラインコントロールもままなりません。
そのうち、高橋隊長、稲留さん、ムラッチーが隣接する地磯へ移動しました。
そして30分後、事件は起こりました!
地磯から、大好きなブランド『ブリーデン』の『エギマル』で深場を丁寧に攻めていた隊長のロッドが遂に弧を描いたのです!
隊長、アオリイカゲットン!です。
しかも、なかなかのグッドサイズ。
春のシーズンに突入してから長いスランプから抜け出せなかった隊長の、冷めることのないイカへの
食欲が・・情熱がいっぱい詰まったこの一杯に、思わずジーン
ときてしまったワガーハイでありました。
でも、取り込みの時に波にもまれてギャフを脳天に突き刺したのでしょうか、写真のイカはすでに真っ白で昇天してしまっているようです(笑)
きっちり笑わせてくれるさすがの隊長です。
その後、そろそろ帰らなきゃ~と言いながらも、平戸をランガンしてしまい、平戸大橋を渡る頃にはもう5時。これからまっすぐに福岡へ向かっても帰りつくのは8時。。。
でも、まだ釣れていない稲留さんとムラッチーノにもなんとか釣ってほしいと思い、最後の最後、泣きの一か所へと車を走らせました。夕暮れ迫る午後6時、到着したのは松浦の某港。ここは秋イカシーズンにワガーハイ自身が釣りあげている場所でしたし、前回の遠征時に見えイカをたくさん見たポイントでした。
「では、残り1時間だけ頑張ってみましょうか!」とタイムリミットを7時に決めて、6人が並んでキャスト開始。
10分、20分、時間はむなしく過ぎていきます。
海は徐々にきらめきを失いはじめ、今日の物語をつむぎ終えようとしているかのようです。
このまま、終わってしまうのでしょうか。。。
稲留さん・・ムラッチーノ・・力になれなくてゴメン・・
などと感傷に浸っていると、突然大きな声が静かな漁港を揺るがしました!
「コラコラコラァ~!コラコラぁ!」
(; ̄ロ ̄)??
どうも稲留さんの声のようです。
地元の少年を叱ってでもいるのでしょうか・・?
そう思って声のする方へ目をやると・・・
!
?
なに?
稲留さんのロッドが大きく弧を描いているではありませんか。
そして、
「こらぁ!おまえ!
釣れとったんかぁ!」 と、
前触れもなくヒットしたイカに説教しまくりの稲留さんなのでした。(爆)
と、ここでギャフを持ち、取り込みを開始する隊長。責任重大です!
ここでギャフ入れに失敗して逃がしてしまったら、
「あの日のことは気にしてませんよ!」と一生言われるのは間違いありません。
が、さすが、決めるところは決める隊長ですね。見事ギャフを打ち、ずり上げました・・
でかっ!
稲留さんにとって自己記録を更新する1,150gのビッグサイズでした。
見た目、1.5キロはあるのではと思えるほどのサイズでしたが、オスだったから軽めだったのでしょうか。
それとも釣られた上に上から目線で説教されて身も細る思いだったのでしょうか(爆)
とにもかくにも最後の最後までノーイカだった稲留さんの、この執念の一杯に、皆で拍手を送りました。
そして、残り時間は30分。
この日の物語の最後を締めくくるのはムラッチーノであってほしいと誰もが願っていましたが、その願いはかなわず、タイムアップとなってしまいました。
◇岩間さん、初イカゲットンおめでとうございます!
2回目の釣行にしてエギングタックルを揃えて臨んだ気合いが結実しましたね。
またご一緒しましょうね!
◇今井さん、初イカゲットンおめでとうございます!
しかも2杯で総重量2キロは立派の一言です。
重量で負けちゃってちょびっと悔しいですが、次回はリベンジしますよ!(^^)
◇髙橋隊長、ここと決めたらとことん粘る隊長のスタイルが、あの磯場で実を結びましたネ。
あの岩の上から一歩も動かず一心不乱に振り続け、シャクリ続ける姿勢を後ろから見ていました。
かっこよかったです。
『情熱大陸』の音楽が流れてくるような感じでしたよ!
◇稲留さん、前回のシャローでのドラマに続き、今回も最後の最後でドラマを起こしてくれましたね~。
脱帽です!
それに、一日中途切れない笑いも提供してくださってホントに感謝してます。
次はお互い1.5キロオーバーを目標に切磋琢磨しましょうね。
◇ムラッチーノ、釣らせてあげられなくてごめんね~。
でも、初回で釣れた人は誰もいないんだよ。
それが普通なのに、初釣行で1バラシと1ゲソは立派だと思います。
それに、泣き言も言わず、あきらめムードも一切なく、最後まで頑張って投げ続けた姿勢に感動しました。
これに懲りずにまた行きましょう。きっと次回は釣れると思いますよ。
<参考> この日の移動ルート
( 完 ・人・ )