少し前の話になりますが、記録魚との出逢いの夜のことを書いてみました。
数日前にコノシロパターンで良い思いをしたタイミングよりもだいぶ早めにポイントへ着くと、一緒にこの季節を追いかけている友人の一人がすでに竿を振っていた。
そして、
「あまり大きくないね」
と言いながら、50~70くらいのマルスズキを何尾か釣ってみせてくれ、
「俺、ちょっとこっちをチェックしてみよう」とおもむろに下流の暗がりへと移動して行った。
場所を譲ってくれたその優しさに、最大級の魚で応えねばなるまい!(笑)
「お言葉に甘えるよ!!」
と急いで準備して投げ始めるも、反応がない。
ほぼ潮止まりを迎え、先ほどまでは流れがぶつかり合い雰囲気十分だった水面が徐々に静かになりはじめていた。
しまった。
すでに時合いが終わったのか?
いや・・
沖にかすかに残るヨレが、まだチャンスがあることを教えてくれていた。
あのヨレにある「流速の壁」にルアーを置くことができさえすれば、
その時に得られる最高の結果が出るはず。
手前側の壁に置くのか、
沖側の壁に置くのか、
どのレンジに置くのか、
ルアーを目まぐるしくローテーションさせながら急いで試す。
おかしい。
ベイトがいつものサイズのイワシやコノシロなら、
もう何らかの反応があっていいはずなのに・・。
もしや、もっと小さい何かを喰っているのか?
そこで、私の秋のパイロットルアーの一つであるマリブをスナップに通し、
今にも消えようとしているそのヨレへ向かって投げた。
ポチャッ!
第一投目は手前側の壁へ置いた。
1.2・フッ・・
2秒ほどで壁からはじき出された
見た目よりも強い壁だ。
作戦変更。
この強さなら沖側の壁に置こう。
沖側の壁ならラインテンションの操作次第で、長い時間置くことができる。
第2投
ポチャッ!
ヨレの沖側へ落とし、壁に沿わせ、そして置いた。
なじませるだけ。
糸ふけを少しだけ残しながら・・
でもテンションは微かに感じながら・・
それで十分泳いでくれている。
そう信じることができさえすれば・・・
ガスッ!
ドバババ!ヘッドシェイクから小さくはないことはわかったが、
巨大なやつでもないと思った。
しかし、釣りあげてみると横たわるその姿がなんだか迫力十分・・
「でかっ!」
「あれ?ヒラだ!ヒラ!」
黒々とした精悍な面構えのヒラスズキ。
長さは85cm。
重量はボガグリップ計測で15lb目盛りを振りきり計測不能
つまり、6.8kgを超える魚。
※1lb= 0.453kg
重さはともかく、長さはヒラスズキの自己新記録!
立ち位置を譲ってくれた友人に感謝!
喰らいついてくれたこの魚に感謝!
それにしても、
この堂々たる体躯のヒラスズキは、
何を追って河川に入って来たのか。
そこまでして喰いたいものとは何だったのか。
コノシロではなく
イワシでもなく
いや・・
磯周りで捕食していた小型のイワシの群れを追って入って来たのか?
いや、そうではなく、もっと違う何かか・・
だとしたら、
アミ?
稚アユ?
その後友人がサクッと追加した良型のマルスズキは、消化途中の真っ白いアミを吐いた。
それはたしかだ。
しかし、それは答えに行きつく一つの材料に過ぎないかもしれない。
ちなみに、マリブのカラーはマルチイワシというカラーだった・・
鱸釣りは謎解きゲーム。
面白くてたまらない。
・・・んだもしたんあらよ