疲れたら
振り向けばいい
無理をするなよ
僕がいるから
振り向けば
いつも
そこにいるから
僕がいるから
出会ったのは夏の終わり
運命だと信じた僕
きみにはいたけど
三年つきあった彼
あきらめなかった僕
できること
すべてやったよ
さよならは
クリスマスのすこし前
僕が26の凍てつく冬
冷たい受話器の向こう
ごめんね と きみの声
謝るなよ と 夜を見上げた僕
携帯切って見下ろした街
きみから遠く離れた街
歩いていく人間の群れ
流れてゆく車の群れ
フラワーショップの店先
輝いていたクリスマスツリー
僕は きみを愛した
できることは やったよ
すべてやったよ
泣かなくていい
彼が本当の愛をくれたのなら
それを信じて行けばいい
ゆっくりとついていけばいい
でも 夢 忘れないで
でも 夢 忘れないで
ずっと ずっと 忘れないで
そして
疲れたら
振り向けばいい
無理をするなよ
僕がいるから
振り向けば
いつも
そこにいるから
僕がいるから
僕がいるから
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もうだいぶ昔の話です。
13年も昔の話ですから、大昔の話ですね。
大阪で出会った彼女には、恋人がいました。
でも、僕は、その時だけはどうしてもブレーキが効かずに、彼女を奪い取ろうとしたのです。
そんな僕を、彼女も愛してくれました。
彼から気持ちが離れはじめていた頃だったから、僕はそこに滑り込めたのでしょう。
彼女の夢は、ライブを開けるくらいのプロのジャズピアニストになることでした。
ピアノの講師と、レストランで弾く仕事をしながら、一生懸命その夢を追いかけている女性でした。
クリスマス前に、僕が大阪を留守にした時、彼が、彼女に泣いてすがったそうです。
自分が悪かったと。
幸せにするから、戻ってきてくれと。
寒い冬でした。
上の詩は、別れからおよそ1年後、僕が書いた詩です。
もちろん、彼女に贈ったわけではありません。
僕が、僕自身を取り戻し、穏やかな気持ちになれた時に、彼女の幸せを願って書いた詩です。
今、彼女は大阪の街を一人で歩いています。
そして、時々疲れたら、僕に電話をしてきます。
だから僕は今でも約束通り、ここにいるんです。
彼女と交わした、その約束について、僕はここに書き残したいと思います。
少し長くなるかもしれませんが、おつきあいください。
>> 遥かな約束第一話 『 悲しみの置き場所 』
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※この写真は、下記サイトからお借りしました。
ありがとうございます。
coco.vivian