サブ、元気でやってますか。
おまえが行ってしまってから何日経つかな。
2週間かな。
お父さんはもうメソメソしたりしてないよ。
だいじょうぶだよ。
おまえはどうしてる?
まだジョージと思い出話が尽きない頃だろうね。
ずっとずっと会いたかったお兄ちゃんだもんな。
離れていた17年分のあんなことやこんなこと、
いつも口数が少なかったおまえだけど、
ジョージに楽しそうに話してるおまえの姿を、父さんは思い浮かべられます。
エバは時々寂しそうな声を出しながら家の中をうろうろしてます。
そして決まってホットカーペットの上で立ち止まって、
クンクンと匂いを嗅いで、父さんにニャーと言うんだよ。
そう、最後の1週間おまえがいつも寝ていたあの場所だよ。
「おとうさん、お兄ちゃんの匂いがするよ。でも姿が見えないよ」
って、エバは言ってるんだと思う。
そんな時はしっかり抱きしめてあげてます。
少しずつ、少しずつ、エバがおまえとのことを思い出に変えていけるように、
家族みんなでこれからも頑張るからね。
見守っていてね。
ところで今日は、おまえに話があって書いてます。
この1週間、びっくりするくらいたくさんの仲間がそっちへやってきただろう。
実はこっちでもの凄い震災があってね、
数え切れないくらいの猫ちゃんがそちらへ行ってしまったんだよ。
ワンちゃんも、ほかのペット達も、もうほんとにね、たくさん。
おまえみたいに思い出たくさん抱いて旅立った子たちじゃなくて、
まだまだこれからいっぱい遊んで、いっぱい甘えて、いっぱいおいしいもの食べたかったのに、
愛する人や兄弟や仲間達にさよならを言うこともできないままに、
あっという間にそっちへ連れて行かれてしまった子たちなんだ。
だから、頼むね、サブ。
ジョージと二人でそちらにいる先輩達にも声をかけて、
後ろを振り向き振り向き泣きながらやってきた子たちを、
抱きしめて、笑顔で迎えてあげてください。
おまえなら、できるよね。
きっとできる。
頼むよ、サブ。
頼む。
じゃ、また手紙を書くよ。
こちらも笑顔で頑張ります。
父さんより